ニューズレターVol.33

01.Solution 〜CAE用材料データ計測サービスのご紹介


近年、CAEは目覚しい発展を遂げ、製品開発における必須ツールになりました。自動車・電機・電子デバイスなど、あらゆる分野でCAEが活用されています。一方、製品開発におけるCAEの重要性が増すにつれ、市場要求の高まりにより更なる解析精度の向上に重点が置かれるようになりました。例えば、樹脂部品の破断やプレス成形後のスプリングバック量を定量的に評価したい、などというニーズが増えてきています。



高精度が求められる昨今のCAE
高精度が求められる昨今のCAE


解析精度を向上させる方法はいくつかあります。例えば、メッシュサイズを十分細かくし、実物に忠実に形状をモデリングする方法が挙げられます。しかし、それらと同等、もしくはそれ以上に重要なのが、『部材の材料特性を精度良く取得し、解析モデルに正確にインプットすること』です。例えば、材料のひずみ速度依存性、経年変化や材料間のバラつき、生産工程の影響等を取得して解析モデルに反映させることは、精度向上にとって重要なポイントです。また、近年は樹脂の複合材やハイテン材などの新素材の開発が目覚しいですが、これらを対象とした解析の精度を向上させるためには、やはり材料試験から材料特性を取得し、それを正確にモデルに反映させる必要があります。

しかしながら、一般にこれらの材料特性を精度よく取得するには高度な試験技術が必要です。また、試験結果から材料パラメータを同定する際にもまた、高度な専門知識が必要な場合が少なくありません。

今回のNewsletterでは、こうした材料データ取得の問題点に対するソリューションとして、DatapointLabs社のCAE用材料計測サービスをご紹介いたします。



DatapointLabs社について

米国NY州にあるDatapointLabs社では、試験のエキスパート達による材料試験サービスを展開しており、海外において800社以上のクライアントを抱えています。試験対象となる材料は200種類以上にもおよび、樹脂材料をはじめ鋼材、ゴム複合材、フォーム材等もサポートしています。

また、DatapointLabs社では単に材料試験を行うだけでなく、材料試験結果からCAE用材料モデルのパラメータ設定まで行うサービスも提供しています。ABAQUS、ANSYS、MARC、PAM-CRUSH、RADIOSSなど、25のソルバーを対象としています。もちろんLS−DYNAもサポートしており、後述するように豊富な材料モデルに対応しています。

DatapointLabs社ホームページ:http://www.datapointlabs.com/


DatapointLabs社



サービスご利用の流れ

材料試験サービスの流れを下図に示します。基本的に本サービスの受付窓口は弊社が務めます。初めに、後述する試験一覧からご希望の試験メニューを選択していただき、弊社営業もしくは技術担当にご連絡ください。折り返し、弊社より試験お見積金額をご提示いたします。また、試験内容のカスタマイズやどの試験を選択すべきか、等のご相談も承ります。試験内容のアレンジや最適な試験メニューのご提案など、可能な限り対応させていただきます。

お申し込み内容に基づいて弊社よりDapointLabs社に試験を依頼し、実際に試験を行います。試験結果は弊社からお客様に納品いたします。試験片をお預かりしてから試験結果を納品させていただくまでの期間は、およそ3週間程度です。(※ただし、試験条件によって若干異なります)



サービスご利用の流れ


LS-DYNA用試験メニュー

下表に、LS−DYNA材料モデル用の試験メニュー一覧を示します。ご要望の試験メニューを下表よりお選びいただき、弊社営業担当または技術担当にご連絡ください。


ID 試験名 試験内容 供試体およびN数=1の場合の供試体数 MATカード
G-770 高速3点曲げ試験
  • ひずみ速度4水準による高速3点曲げ試験
  • 主に樹脂材料を対象
  • ASTM D790 flex bar
(12.7*3.2*100[mm])
19、24、89
G-771 高速引張試験
  • ひずみ速度5水準による高速引張試験
(0.01−1/secから3水準、1-100/secから2水準)
※以下のいずれかを選択
  • ASTM D638 Type V tensile bars
  • プラーク(樹脂材のみ)
(101*305*3.2 [mm] 射出ゲートは短辺側)
19、24、89
G-771v 高速引張試験
  • ひずみ速度5水準による高速引張試験
(0.01−1/secから3水準、1-100/secから2水準)
  • 実験に対する解析のバリデーションも実施
※以下のいずれかを選択
  • ASTM D638 Type V tensile bars
  • プラーク(樹脂材のみ)
(101*305*3.2 [mm] 射出ゲートは短辺側)
19、24、89
G-772 高速圧縮試験
  • ひずみ速度5水準による高速引張試験
  • 主にフォーム材を対象
※以下のいずれかを選択
  • 円柱供試体(Φ25 、板厚25[mm])
  • シート(供試体作成用)
(300*300*25[o])
57、63、83
G-778 SAMP-1用データ計測試験
  • ひずみ速度5水準による高速引張試験
(0.01−1/secから3水準、1-100/secから2水準)
  • 塑性ポアソン比およびダメージ定義用試験
  • 静的圧縮試験
  • 静的せん断試験
  • 実験に対する解析のバリデーションを実施
  • プラーク
(101*305*3.2 [mm] 射出ゲートは短辺側)
187
G-780 ゴム材料用データ計測試験
  • 静的引張試験
  • 静的圧縮試験
※以下の2種類、もしくはシートのみを選択
  • シート(150*150*2 [mm])
  • 円柱型供試体(Φ25、板厚12.7[o])
27、77_H、77_O
G-782 粘弾性を考慮したゴム材料用データ計測試験
  • 静的引張試験
  • 静的圧縮試験
  • ねじりせん断試験
※以下の2種類、もしくはシートのみを選択
  • シート(150*150*2 [mm])
  • 円柱型供試体(Φ25、板厚12.7[o])
77_H、77_O
G-784 速度依存性を考慮したゴム材料用データ計測試験
  • 高速引張試験
※以下の2種類のいずれも必要
  • シート(150*150*2 [mm])
  • 円柱型供試体(Φ25、板厚12.7[o])
181,183
G-790 Barlat 3-parameterモデル用データ計測試験
  • 0°、45°、90°方向それぞれの静的引張試験
※以下のいずれかを選択
  • ASTM Type IV tensile bars (0°,45°, 90° 方向)
  • シート(250*200*3以下[o])
36
G-791 面外異方性モデル用データ計測試験
  • 静的引張試験
※以下のいずれかを選択
  • ASTM Type IV tensile bars (0°方向)
  • シート(250*200*3以下[o])
37

複数のMATカードをサポートしている試験メニューでは、ご希望のMATカードをお申し込み時に選択していただきます。
高速引張試験の試験スピードはある程度のカスタマイズが可能です。
試験片数は試験条件によって異なります。
上表以外にも、LS-DYNA以外のソルバー用メニューや機械的性質試験のみのメニューも多数取り揃えております。お気軽にご相談ください。


DatapointLabs社のサイト利用方法

DataPointLabs社のホームページでは、アカウントを作成することによって各種試験の詳細情報(試験条件、お見積金額)を閲覧できます。(直接DataPointLabs社に試験サービスをお申し込みいただくことも可能です。)ここでは、DatapointLabs社ホームページにおけるアカウント作成方法および試験情報の閲覧方法についてご説明いたします。


アカウント作成方法
  1. DatapointLabs社ホームページ(http://www.datapointlabs.com/)にアクセスし、トップページ右端にある [Register] をクリックします。




  2. アカウント登録フォームにて必要事項を英語で入力します。記入が完了したら、最下部にある [Next] ボタンをクリックします。

    必須入力項目
    ■Login Name (ログイン名)
    ■Password (ログインパスワード)
    ※「Re-Type・・」欄に同じものを再入力
    ■First Name (名前)
    ■Last Name (苗字)
    ■Company Name (会社名)
    ■Street Address (会社所在地の番地、地区名)
    ■City (市区町村名)
    ■State/Province (都道府県名)
    ■Zip/Postal Code (郵便番号)
    ■Country (国名)
    ■Phone (電話番号)
    ■Email (Eメールアドレス)
    ■Technical Interests (興味のある技術分野)
    ※選択後、[>]ボタンをクリック
    ■Industry Segments (職種)
    ※選択後、[>]ボタンをクリック


  3. 会社住所と試験レポート送付先が異なる場合(※)は、[Billing Information] フォームにて送付先住所を新たに記入します。同じ場合は、[My Billing Address is the same・・・] にチェックを入れて [Submit] ボタンをクリックします。
    ※ 弊社を経由して本サービスをご利用になる場合は、こちらの入力内容に関わらず、お申し込みご担当者様宛てに試験レポートを納品いたします。



  4. 1営業日後に、入力したEメールアドレス宛てにアカウント情報に関するメールが届きます。

試験情報の閲覧方法
  1. トップページ右端にある [Login ID] と [Password] を入力して [submit] ボタンをクリックします。




  2. ログイン後、ページトップにある [Test Catalog] をクリックします。




  3. リストの中から [Mechanical Testing(機械的性質試験)]、[Rheology(レオロジー試験)] など、ご希望のメニュを選択します。ここでは、CAE用材料モデルを対象とした試験メニュー(TestPaksR)を閲覧する場合を例に挙げます。




  4. 例えばソルバーから試験メニューを探す場合、[TestPaks By Software] を選択し、ご希望のソルバー名を選びます。




  5. 選択したソルバー用の材料試験一覧が表示されます。"G-771"や試験名のリンクをクリックすることで、その試験の詳細情報を確認できます。また、[Price] ボタンをクリックすればWeb上で試験のお見積金額を調べることも可能です。


実績ご紹介

アルパイン株式会社様では車載音響電子機器の開発においてLS-DYNAを活用頂いております。今回、解析精度向上を目的に樹脂材料を用いて高速引張試験(G-771v)をご利用頂きました。樹脂材料の精度向上を図るためには理論構築、物性試験、コリレーション、実機を用いた精度確認の手順を踏みますが、本サービスはDatapointLabs社のノウハウを用い、物性試験ならびにLS-DYNAを用いたコリレーションの結果までの作業がサービスとなっております。

通常の物性試験同等の価格でありながら提供出来るサービスの多さに、作業工数の削減とコストメリットから非常に有効なサービスであるとのコメントを頂きました。


アルパイン様本社
アルパイン様本社
一般的な樹脂材料の高速引張試験結果
一般的な樹脂材料の高速引張試験結果
車載音響電子機器イメージ
車載音響電子機器イメージ


まとめ

冒頭でも触れたように、昨今のCAEには高い精度が求められる傾向にあります。解析結果の高精度化を実現するために、材料データを正確に取得し、そこから材料モデルのパラメータを適切に設定することは必要不可欠です。是非とも本サービスのご利用をご検討いただければと存じます。

JSOLのCAE用材料データ計測サービスはこちら >>



目次
01.Solution 〜CAE用材料データ計測サービスのご紹介
02.New product 〜3次元画像処理ソフトウェア 「Simpleware」 のご紹介
03.Technical Activity 〜前田建設ファンタジー営業部 某有名アニメの基地、破壊解析
04.Technical Activity 〜LS-DYNA&JSTAMPフォーラム2010 開催のご案内


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※ 記載されている製品およびサービスの名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。
※ 車体モデル提供:NCAC/GWU。

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