解析事例

ニュートンのゆりかご − 運動量保存とエネルギー保存 −

「ニュートンのゆりかご」という名前でおなじみのこの玩具は、運動量保存則と力学的エネルギー保存則の説明に良く用いられています。紐でぶら下げた複数の金属球を直線状に並べておき、端の1つの金属球を衝突させると反対側の端の1つの金属球のみが跳ね返ります。その金属球が振り子の原理で戻ってきて再び金属球に衝突すると、始めに衝突させた金属球のみが跳ね返ります。この金属球の跳ね返り運動は、反発係数が1という理想的な環境であれば永久に持続します。ミクロレベルでみると、2つの金属球の接触による運動量交換が連続的に行われている、と見ることができます。

LS-DYNAでは適切な接触定義によりこのような現象を比較的容易に解くことができます。ここでは、陽解法において運動量保存則や力学的エネルギー保存が適切に行われることを確認します。

全体挙動

金属球の振り子運動から始まり、金属球が衝突した後、反対側端の金属球が飛ばされている挙動が確認できます(図1)。

図1 全体挙動

図1 全体挙動

時刻歴

N156が1つ目の金属球に相当し、数字が大きくなるにしたがって2つ目・3つ目・・・を表し、N796が最後の金属球に相当します。1つ目の金属球の速度が二次関数的に増加し、隣の金属球に衝突した直後に速度がほぼゼロになり、反対側端の金属球の速度が急激に立ち上がるのを確認できます(図2)。

以下、金属球中心節点を示します。

  • N156 ・・・1番左の金属球
  • N316 ・・・左から2番目の金属球
  • N476 ・・・左から3番目の金属球
  • N636 ・・・左から4番目の金属球
  • N796 ・・・1番右の金属球
図2 金属球の速度時刻歴

図2 金属球の速度時刻歴

局所的にみると、1つ目の金属球の速度が2つ目の金属球に置き換わり、3つ目、4つ目、5つ目の金属球へ順番に速度交換が行われていることが確認できます(図3)。

図3 金属球の速度時刻歴(拡大図)

図3 金属球の速度時刻歴(拡大図)

S1が1つ目の金属球と2つ目の金属球の接触を表し、数字が大きくなるにしたがって1つ隣の接触を表します。S4が4つ目の金属球と5つ目の金属球の接触を表します。金属球が衝突した瞬間のごく短い時間でのみ接触反力が発生していることを確認できます(図4)。

以下、剛体球どうしの接触力を示します。

  • S1 ・・・1番左と左から2番目の接触
  • S2 ・・・左から2番目と3番目の接触
  • S3 ・・・左から3番目と4番目の接触
  • S4 ・・・左から4番目と1番右の接触
図4 接触反力時刻歴

図4 接触反力時刻歴

接触反力を時間で積分した値(力積)は、運動量変化を表し、金属球の持っている運動量が接触を介して隣の金属球に移動している様子を確認することができます(図5)。

図5 接触反力時刻歴(衝突時の拡大図)

図5 接触反力時刻歴(衝突時の拡大図)

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Updated:2014-12-26



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